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    三好皓一ほか「評価論を学ぶ人のために」を読んで、迷走せず、学習につながる評価に取り組みたいと思った



    引き続き上野真城子さん関連。2008年1月発行なので既に5年前の本になる。1部と2部に分かれていて1部が「評価の概念と方法」2部が「分野別評価の現状と課題」となっている。執筆者は国際開発に関係する人が多く、国内の政策評価をもとに考えると、ややズレている感じがした。

    1章は編著者による「評価とは何か」。評価の定義として「種々の政策、施策、事業の実施と効果を組織的に査定するもの」と記されている。また評価の目的は、「学習」と「説明責任」と書かれていて、「学習」というのが新鮮だった。さらによい評価のためには①有用性点、②公平性と中立性、③信頼性、④利害関係者の参加度などを満たされければならないと書かれていた。まぁ、1章はおさらいですね。

    2章は「量的評価」、3章は「質的評価」について書かれている。量的評価について書かれているように「得られた結果がどの程度信頼できるか、その結果から何が言えるか」が問題だと思った。まさにガベージ・イン、ガベージ・アウトである。質的評価については人々のエンパワメントの評価方法が載っていた。12の指標を設けて、それが達成されたを見るものだ。日本で考えた場合、適切な指標もあったが、そぐわないものもあった。

    4章が上野さん達による「パフォーマンス・メジャーメント」である。ハリー・ハトリーの本の最後にあった長い解説文がそのまま入っていた。ちょっと残念。

    5章は、費用便益分析について。代替法、旅行費用法、へドニック価格法、仮想評価法(CVM)の4つの概要紹介や費用効果分析との比較など。

    6章は参加型評価について。「事実はある価値体系の中で解釈されて意味を持つようになるのであり、客観的なひとつの事実が最初から存在するわけではない」と言う「構成主義(constructivism)」の立場からきている評価方法。参加型評価に限らず「評価」というのはそういう側面があると思う。参加型評価をこれから導入すべきと言う形で書かれているが、日本の実態としてはすでにある程度、参加型評価がなされていると思う。

    7章からは2部で、7章は中央省庁の政策評価について。行政評価法から策定された背景から平成19年度までについて書かれている。とにかく評価が始まったということを評価しつつ、今後の課題として、評価が予算に反映されないことや、評価の説明方法、省庁での評価方法の統一等が書かれていた。8章は自治体がやってる評価について。現状示しつつ具体的な改善策について書いてあった。「評価は必要以上に精度を要求しない」と言うのは新鮮な意見だった。

    9章は田中弥生さんによるNGOのアカウンタビリティについて。NGOが資金源に向けたアカウンタビリティを重視する傾向にあるが、地元へのアカウンタビリティを行う必要がある、しかし、地元が賛成・反対にわれている時、誰が、どう、何を評価すればいいのかということが問われるし、未解決であると書かれていた。

    10章は学校の評価について。ある学校評価総括表というのが示されていて「友達を呼び捨てにさせない」「思いやりのある行動を発表させる」などの指標があった。迷走しているな〜 11章は大学評価で、これも迷走していると感じた。

    12章は保健福祉評価について。現在、科学的根拠に基づく医療の評価と、サービスの質の評価の2つが同時に関心を持たれているそうだ。前者は日本ではまだあまり取り組まれてないそうで、今後これをシステム化していくことが重要だと書かれていた。

    13章は環境評価。経済的評価手法として直接評価と間接評価があり、それぞれ数種類の手法がある。また技術的評価として環境アセスメントがある。さらに歴史や文化への影響を図る社会的評価手法というのもあるそうだ。現在は技術的評価が中心だが、経済的・社会的評価も今後やっていく必要があると書かれていた。

    14章はジェンダー評価、 15章は開発援助評価で、いずれも海外の文献の概要紹介という感じだった。開発成果と援助の関係性について「帰属(厳密な因果関係の立証)」ではなく「貢献(因果関係の可能性の高さ)」に基づき評価しようとをしているという記述は、面白かった。

    行政からの委託を主な仕事としている身としては、評価の必要性や重要性はわかるが、迷走しないように、そして学習につながるように、取り組まなければいけないなあと思った。

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    Author:ksatani
    佐谷和江と申します。都市計画・まちづくりの仕事をしてます。
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    satani(@)kgk-net.co.jp

    まち活動のブログも書いています。
    http://ksatani.cocolog-nifty.com/blog/

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