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    ハリー・ハトリー「政策評価入門」を読んで、日本の政策評価の現状・全体像はどうなっているか知りたいと思った



    前回に引き続き、上野真城子さん関連。アーバンインスティチュートのハトリーさんの本を上野さんたちが翻訳したもの。アメリカでは1999年に、日本では2004年に出版。

    政策評価というタイトルだが、原題はPerformance Measurementで、主にパフォーマンス(業績)の測定について書かれている。

    政策評価を主とした業務はやってなく、委員で指定管理の業務評価をやっているぐらいなので、日本においてどういう方式が主流なのか、最先端なのかという全体像はよくわかっていない。総務省の政策評価ポータルサイトを参考にしているぐらい。

    で、本書は5部構成で、1部は概説。1章では業績測定の定義などで、「サービスあるいはプログラム(施策)のアウトカム(成果)や効率を定期的に測定すること」としている。2章は業績測定の要素を定義している。ハトリーさん方式は、中間アウトカムと最終アウトカムの2つを用いることが特徴的。

    2部は業績測定のプロセスで、3章では、まずワーキンググループをつくることと、そしてどう作業するかが具体的に書かれている。4章では施策の目標と顧客を明確にすべしということ、5章ではアウトカムの作り方が書かれている。

    で、例えば「高校中退を防止する」という施策の中で、「父母講習会」を行った場合、アウトプットは「講習会の開催」で、中間アウトカムは「講習会への参加や修了、子どもに学校に行くことを勧めること」で、最終アウトカムは「子どもが学校に行くようになり、中退者が減ること、さらに長期的には経済的に向上すること」という具体例が示されている。

    う〜ん、中間アウトカムと最終アウトカム、わかった気もするが、峻別が難しそう。

    6章は測定する指標について。先ほどの「父母講習会」を例に指標が書かれている。「中退者数と割合」など、わかりやすいものもあるが、わかりにくいものもある。

    7章はデータ収集の方法。この中で郵便アンケートでも50%の回答をめざすべき、そして回答率を上げるために、カラー紙に印刷したり、2〜3回、郵送を繰り返すべきと書かれていたのが興味深かった。私の経験では郵送で50%はなかなかシンドイ。しかし、郵送を繰り返すことはしていない(督促ハガキを出すことはたまにある)ので、そういう方法もやってみるべきかな、と思った。

    3部は分析と利用方法。8章は地域別比較など、比較のカテゴリーについて。9章はベンチマーク=達成目標値について、10章は分析のやり方や報告書の作り方について、11章は報告書をどう使うか−例えばアカウンタビリティ(説明責任)や予算要求など−、12章は予算編成での使い方が書かれていた。

    11章の中に、行政職員の業績と給与を結びつけるという見出しがあって、実際にやっているのかと思って読んでみると、「それは難しい」という結論だった。まあ、アメリカでも難しいだろうなあ。一方、成果を出した場合、委託費を増すという契約はあるようで、これは興味深かった。日本でもあるかもしれない。

    4部はその他の論点で、13章が業績測定の質を保つ方法、14章は業績測定費用をどう減少させるか等のその他の課題、15章は全体の要約となっている。

    13章のチェサピーク湾の水質向上や、米国幹線道路交通安全局の死亡者数や事故件数を減少させる例はわかりやすかった。

    印象的だったのは、業績測定の数値がひとり歩きしないように端折ってはいけない、数値を絶対視してはいけないと繰り返し書かれていたこと。アメリカでもひとり歩きしてしまうんだろうなあ。

    読みながら、日本の政策評価の現状・全体像はどうなっているかモヤモヤしたので、上野さんに聞いてみたいと思った。

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    Author:ksatani
    佐谷和江と申します。都市計画・まちづくりの仕事をしてます。
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    まち活動のブログも書いています。
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