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    陣内秀信他「アンダルシアの都市と田園」を読んで、実測調査の報告書を思い出した



    法政大学陣内研究室が1999〜2004年の6年間に実施したフィールドワークの記録。スペインのアンダルシア地方を対象としているが中心はアルコス・デ・ラ・フロンテーラとカサレスという都市。いずれもイスラムの影響と、それをキリスト教徒に取り戻すレコンキスタ(再生副活動)の影響を受けている。しかし、レコンキスタは両都市は距離はそれほど離れていないものの、アルコスは1250年ごろ、カサレスは1480年ごろと200年も違っているそうだ。ちなみにアンダルシア地方では1492年にレコンキスタが完了してスペイン王国に統合され、800年に及ぶイスラム支配が終わったそうである。

    1章はアンダルシアの歴史と風土。これは30ページぐらい。

    2章はアルコスについて、約120ページ。。天空の街と呼ばれているようで、とても美しい。人口約3万人。丹念な実測調査を踏まえて、都市構成、街路空間、住まいについて分析いる。中庭型住宅で面積が広く、1960年代ぐらいから一部を賃貸していたようだが、現在はメインファミリーがいない形態も増えているそうだ。また、新市街地に出て行く世帯も多く、空き家を民宿にしているところもあるようだ。

    3章はカサレスについて、約50ページ。「白い街」と呼ばれているようで、こちらもとても美しい。人口約3000人。こちらも実測調査を踏まえた分析。住宅は4つのタイプがあるが中庭型ではない。1970年代に出ていった人たちが戻ったり、移住者が増えたりしており、価値が見直されているそうだ。

    4章はタイトルは「アンダルシアの外部空間」だが、中身はスペイン各地の広場についての分析が中心。約50ページ。中で面白かったのは、リチャード・マイヤーが設計したバルセロナ現代美術館前の広場について、「きわめて現代的でありながら、まさにスペインの広場の遺伝子を継承している」と評しているところ。デヴィッド・ハーヴェイ「反乱する都市」では、ディズニー化していると書かれていたのと対照的。バルセロナに見に行ってみたいな〜

    5章はアンダルシアの諸都市、約30ページ。中世アラブ・イスラーム時代の市域と現在の都市の位置関係の図が面白かった、アルコスは中世アラブ・イスラーム時代の市域の中に現在の都市が内包されていて、カサレスは市域外に現在の都市ができているそうだ。

    6章は田園地帯について、約40ページ。以前はアグロトゥリスモと呼ばれていたものが2000年ごろからトゥリスモ・ルーラルとして定着し、広まっていることから田園地帯についても調査したそうで、農家の構成や都市と農地の関係について書かれている。

    現地に行ってみた気分になりつつ、歴史や都市・住宅の構造もわかるという本。学生時代に歴史的街並み調査をやった時の報告書を思い出す。新書などのコンパクトな形態の方が一般にわかりやすいと思った。

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    Author:ksatani
    佐谷和江と申します。都市計画・まちづくりの仕事をしてます。
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